能楽、かんたん入門
はじめに
「能楽って何?歴史があるって聞くけど、イマイチよく分からない!」
このページでは、「能楽」について初めての人にも分かりやすく説明しています。
明日、誰かに話したくなる、そんな内容です。
さあ、能楽の世界にちょっとだけ足を踏み入れてみませんか?
能楽とはどんなもの?
- Q「能楽とはどんなもの?」
- A
能楽の世界へようこそ! このページでは、能楽について、気軽に、そして楽しく学べるように案内します。 能楽は、日本の伝統的な演劇の一つで、650年以上の歴史を持つ舞台芸術です。 豊臣秀吉や徳川家康などの多くの歴史上の人物にも愛されていました。
「能」と「狂言」を合わせて「能楽」といいます。 「能」は、謡(歌・セリフ)と囃子(楽器)に合せて演じられる歌舞劇で、多くの曲で演者が能面という仮面をつけているのが特徴です。 登場人物は人間だけでなく神や鬼、妖怪や幽霊などこの世のものではないものも登場し、また、演者は様式化された簡素な動きで感情を表し、物語が進みます。
「狂言」は、中世の庶民の日常生活を明るく描いた、セリフが中心の喜劇です。能と異なり、ほとんどは面をつけずに演じられ、笑いを通して人間の普遍的なおかしさを描きだします。
能楽の舞台ってどうなってるの?
- Q「能楽の舞台ってどうなってるの?」
- A
能楽の舞台は、能舞台と呼ばれます。 能舞台の構造は、はじめての能楽堂探訪で詳しく解説していますが、 ここでは、ちょっとだけご紹介します。
まず、能楽堂に入ると、能舞台に大きな屋根が付いていることを不思議に思う人が多いのではないでしょうか。 これは昔、能舞台が屋外にあった名残です。
また、能舞台には緞帳(どんちょう)がありません。どうやって始まるのでしょうか。 演者は「橋掛かり」と呼ばれる通路を通って舞台に登場します。 幕が開いてすぐに物語が始まるわけではなく、演者や大道具が舞台上に配置される様子を見ながら、観客はだんだんと能楽の世界に誘われていきます。 演目が終わると、演者や大道具はすべて舞台からなくなり、静寂が戻ります。
能舞台は、時間と空間を超えた物語を紡ぎ出すための演劇空間なのです。
用語
- Q「能楽でよくシテ、ワキって聞くけど、それって何?」
- A
能楽で使われる言葉は独特で、ちょっと難しそう。でも、大丈夫!ここでは、よく使われる用語を簡単に説明します。 例えば、”シテ”は主役のこと。”ワキ”はシテの相手役です。ざっくり言うと、この二人が話の中心です。
楽器
- Q「能楽って音楽もあるの?」
- A
能楽には音楽が欠かせません。笛、小鼓、大鼓、太鼓の4種類の楽器が使われます。 音楽はゆっくりとしたものもあれば速いものもあり、物語の情景に深みを与えています。
能楽の音楽は、独特のリズムと調べで構成されており、その響きが能の世界へと私たちを導きます。舞台上で繰り広げられる物語とともに、これらの楽器から生み出される音楽が、古の物語を今に伝えるための、演者たちの精緻な技巧を映し出しています。
打楽器の一打一打には力が込められ、笛の澄んだ音色は空間を織りなしていきます。観客はこれらの音を聴きながら、能楽の舞台がどのように生き生きとしているのかを想像し、感じ取ることができます。
衣装
- Q「能楽の衣装ってどんなもの?」
- A
能楽の衣装は、装束(しょうぞく)と呼ばれます。神様や高貴な女性などは”豪華”で、金や銀の糸で織られた模様はそれだけで見ごたえがあります。
面(めん)も使われることがあり、それぞれが特定のキャラクターを表しています。 装束と面でその人が何者かがわかるのです。
面について深く知りたい人はこちら
作品
- Q「能楽の有名な曲ってなに?」
- A
能楽には、たくさんの曲がありますが、何度も上演されるような有名な作品があります。
例えば、能は”羽衣(はごろも)”や”高砂(たかさご)”など。 「羽衣」は教科書に載っていたり、「高砂」は結婚式で一節を謡うことも多かったので、 聞いたことがある人もいるかもしれません。 ちなみに、披露宴で新郎新婦が座る「高砂席」は能の「高砂」からきてるんです。
能の作者で一番有名なのは世阿弥(ぜあみ)です。 「初心忘るべからず」という有名な言葉を残しました。
楽しみ方
- Q「能楽は何を楽しめばいいの?」
- A
能楽には色々な楽しみ方があります! 例えば、豪華絢爛な装束、演者の動きに注目する、または謡、楽器の音に耳を傾けるなど。”見て”、”聞いて”、”感じる”ことが大事です。自分なりの楽しみ方をぜひ見つけてください。
みんなのお悩み解決!
能楽はどのように楽しめばいいのかな?
いい質問ですね。能楽は見て、聞いて、楽しめる芸能です。 例えば、演者の所作や豪華絢爛な装束の美しさや、面の表情の変化、 生の楽器の音に耳を傾けてみるのがおすすめです。 そうすることで、能楽独特の世界観を感じることができるんですよ。
能楽って長そう…私でも観れるかな…?
作品によっては短いものもありますし、 長い作品でも、すべてがゆったりとしているわけではありません。 飽きる暇もないくらい、ドラマチックな展開が立て続けに起きる作品もあります。
チケットはどこで買えるの?
劇場やオンラインで購入できます。事前に調べておくとスムーズです。 能楽堂の雰囲気を体験しながら、 心に残る一期一会の体験をぜひ楽しんでくださいね。
能楽を観に行きたいんだけど、どうしたらいいかな?
興味を持ったら、 まずはお近くの能楽堂のホームページをチェックしてみてください。 公演のスケジュールやチケット情報、初心者向けの解説講座など、 有益な情報がたくさんありますよ。 能楽堂の雰囲気や、実際の公演を体感すると、 また違った魅力に気づくはずです。
最後におさらいクイズに挑戦!
さぁ、クイズの時間です!画面をタップまたはクリックして、あなたの答えを選んでみてくださいね。間違えたって大丈夫。答えはすぐにわかるから、学びの一歩として楽しんでみてくださいね。では、レッツチャレンジ!
シテの役割はなんでしょうか?
- 1. 主役
- 2. 脇役
- 3. 楽器を扱う人
- 4. 主役の相手役
能楽で使用される4種類の楽器には、笛、小鼓、大鼓がありますが、残り1つは何でしょうか?
- 1. 琴(こと)
- 2. タンバリン
- 3. 太鼓
- 4. 篠笛(しのぶえ)
終わりに
能楽は一見すると少し難しそうに感じるかもしれませんが、洗練された舞の動きや音楽の美しさなどは、どなたでも楽しむことができます。
今回のページで、能楽の魅力の一端を感じていただけたなら、次はぜひ実際の舞台を観に行ってみてください。 生の演技や音、そして能面の表情の変化を目の前で見ることで、能楽の奥深い魅力をより一層感じることができるはずです。
また、能楽にはさまざまな物語や演目がありますので、色々な公演を観ることで、能楽の多様な世界に触れることができます。
能楽は、初心者の方々にも開かれた、誰もが楽しめる芸術です。 初めての一歩を踏み出して、この伝統ある舞台芸術の世界に触れてみませんか?
主催:公益社団法人能楽協会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
委託:令和5年度日本博 2.0 事業(委託型)